株式会社ヨシノ自動車

トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第50回

キングスカスタムペイント 星 健二様

キングスカスタムペイント 星 健二様

「3Dペイントでトラックカスタムの表現が180度変わる。FEとのコラボ、その全貌とは?」

福島県白河市にあるカスタムペイントを手がけるキングスカスタムペイント。ファストエレファントはこちらでFE特製のホイールナットを制作しました(鍵人第46回参照 https://www.yoshino-motor.co.jp/keyman/46/ )。オーナーの星 健二様は、カスタムペイントに憧れ、渡米し、帰国後は日本のカスタムペインターとして活躍してきました。そんな星様が編み出した3Dペイントは、バイクや車のみならずトラックのカスタムにも大きな可能性を秘めています。キングスカスタムペイントとのコラボ、そしてトラックカスタムの可能性を探りつつ、星様がいかにこの技術を開発したかについて探りました。

WEB・genre inc.
編集・青木雄介

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キングスカスタムペイントとの出会い

____まずキングスカスタムペイントさんとの出会いについて教えていただけますか。

中西:去年の夏ぐらいに MOONEYES(本牧のメーカーブランド)さんのイベントに遊びに行ったんですよ。ピンストライパーのケン・ザ・フラットトップさんが出展されるということだったので。そのケンさんのブースの前に、星さんがブースを開いていました。このタンクが並べてあって、一発で目を惹きますよね? その時は3 D ペイントとか詳しいことは分かっていなくて、タンクのデザインが「恰好いいな」と思っていました。その場で色々とお話をさせてもらったのがきっかけですね。

:その時は短パンとT シャツのような、すごくラフな格好でいらっしゃいましたよね。お子さん連れのファミリーという感じでした。なぜか、僕のブースの前で立ち止まってくれて、中西さんとアルさんが話し込んでいました。これは初めてのお客さんと最初に交わすきっかけの言葉でもあるんですけど、「これ金属じゃないんですよ」と話しかけてみたんです。そこで初めてトラック関連の仕事をされている皆さんだと分かりました。

____なるほど。

:そしてその場で「このペイントはトラックにも可能ですか」と聞かれて、「面積は大きくなるだろうけど、できないことではないと思います」とお答えしたんですね。それで「前向きに検討させてもらっても良いですか」と繋がりました。ただそういう話は会場にいれば、よくある話なんです。その多くは返事が来ないケースなんです(笑)。ですから2日後に中西社長からメールをいただいた時は嬉しかったですね。

絶対に何か出来る

____社長自ら、メールを送られたんですね。

中西:そうなんですよ。見た瞬間に「何かやりたい」と思ったんですね。

:その時点では、まだアイデアはないけど具体的に何かをやりたいです、とお答えをいただいたんですね。それでトラックに3 D ペイントはどんなことができるだろうと、自分の中でシミュレートしていました。それでたまたま、ここにあるバイクのタンクのサンプルを持って関東に出かける用事があったので、ヨシノ自動車さんの皆さんに見せに行きました。そこで現物のトラックに当てはめながら、「恰好いいじゃん」とイメージを膨らませていきました。

____その時、社長としてはこのタンクからボルボへのイメージというのは、どういうものが浮かんでいたんでしょうか。

中西:ファストエレファントが始まって2年、カスタムトラックを手がけ始めてから5年ぐらいです。常に何か新しい刺激を欲している状態に変わりはないのですが、その時は特に刺激が欲しかったんです。4台のカスタムトラックを作って結構、出し尽くした感じがしていたんですよ。自分たちが率先してデザインを、と考えながらも「一度、枠を外れなきゃ」と考えていた時期でもあって、MOONEYESさんのイベントに行ったりしていたんですね。

____なるほど。

中西:少なくとも、あの世界にトラックの架装や塗装といった技術は関係ありません。だからこそ星さんの作品にはすごく強い印象を受けたのと、トラックの流行で言うとグラインダータトゥー(素の鉄板にグラインダーで文様を描くカスタム)なんかを取り入れているところは多かったので、外装というよりはインテリアのどこかに使えないか、という思いがありました。ボディに帯のように3 D ペイントを入れるのも考えましたけど、まずは「中の方がいいのかな」って思ったんですよね。

____トラックでいうと、水中花のシフトノブのように使うイメージですね。内装のイメージが大きかったんですね。アルフレッドさんはどうですか。

アルフレッド:僕も最初、このタンクのキャップを見て、シフトノブなんかをイメージしました。お客さんのお気に入りの場所に、星さんのアートを使ってみたいな、と思ったんです。しばらく考えると、外装にこのヘルメットのようなパターンを使いたいな、と考えました。例えばファイヤーパターンの中身に、全てこのデザインが入っている、とか。

3Dのエンボス状カービング。

____手が込んでいますね。

アルフレッド:以前も、僕はこのガレージに来ているんですが、新車でコラボをしたいから一緒に考えましょう、と星さんに伝えてあるんです。具体的ではないですが、そのデザインは頭の中に広がっているんです。とにかく星さんのデザインというのは、引き出しがものすごくあるんですよね。ダメージ加工のような塗装だって出来るし、レジン細工でアクセサリーのように作ることもできる。僕はどれも好きなので、「全部やってほしい」とさえ思っているんです(笑)。

ボルボトラックへ3Dペイントの構想

____星さんとしては、いきなりボルボトラックを見せられてどう思ったんでしょうか。

:過去にトラックをペイントしたことがないわけではないんです。全塗装だったりデコトラ乗りたちのためにペイントしてみたり、ダンプカーをウッディトラックのように塗装して、アメリカンワゴンのような仕様にしたこともあります アメリカから帰ってきた時に、後輩のお父さんが「やってみるか」と言ってくれて自由にやらせてくれました。アメリカで見ていたトラッカーたちのロゴ書体を使って、トラックの荷台を木で組んだように、描いたらめちゃくちゃリアルになったんです。そこからその会社の全塗装をやらせてもらったり、本当にいろんなことをしてきました。ただボルボのような形に、どう塗装を落とし込むかというのはすごく考えさせられますね。

____星さんの目から見たボルボの形って、どういうものですか。

:いち車好きとして、あれだけ恰好いいボルボの形を生かしつつ、白いキャンバスに見立てて、どう描くかだと思います。窓があって、前から、横から、斜め45度から見たと考えた時にアルさんの言っていたように、カービングの模様がぶわっと入っていたら絶対に恰好いいって思っています。黒の3 D ペイントでも十分いけると思います。ただ実際、それを「どこで塗ろうか」というところが問題ですよね(笑)。アルさんは最初、それを確認しに来てくれたんです。

アルフレッド:現実的にどうしますかっていう話は、もうしているんですよ(笑)。

:ヨシノさんの川崎のガレージも見ています。あの鉄骨のガレージに、新車のボルボが入っているイメージが本当に恰好いいですよね。現在、バックパネルに貝殻で螺鈿細工を施して、羽を描くプロジェクトも進行しているんですよ。

バックパネルに螺鈿で羽を描くプロジェクト

アルフレッド:そうそう。すごく個性的なトラックが好きなお客さんで、色々とサンプルのデザインを見せていたら、星さんのデザインが一発で気に入って頂けたんです。ボルボの後ろはボコボコしているから、あそこにバックパネルを貼って羽を描きます。

____それはまた壮大なカスタムですね。絵をボルボの裏側に張り付けるイメージですね。工期的にはどれぐらいかかるでしょうか。

:1ヶ月はかかると思います。実際の施工時間としては乾く時間も必要なんですよ。樹脂は厚塗りをしていったん、キラキラの螺鈿の世界を作ってから、レジンを流し込まなければいけない。それも巨大な面積で樹脂は何リットル必要なんだろう、そもそも大量の貝殻は手に入るだろうか、とか。作業としては、めちゃくちゃ大変です。でももう完成図は見えましたね。すごく恰好いいものはできると思います。

実際の貝殻を使用した螺鈿の文様。

____強烈で、印象的な仕事になりそうですね。

:自分の生涯の中でも、ものすごく面白い仕事の一つになりそうです。そのわくわくしかないですね。可能性としてこれ一つで終わらずに、デコトラとは違う、新しい日本らしいカスタムもできるのではないか、と思うんですね。3 Dの世界はデコトラにはないし、ラッピングではなくてリアルに描くやり方がないだろうか。それと中西社長に聞いた事なんですが、かっこいいトラックにはかっこいいドライバーが乗る。そして若手が集まる、そういう流れにしていきたいんだという話を聞いた時に、「それだ」と思ったんです。

____熱いですね。

:それを出来る人も絶対に多くはないはずなんです。僕は最初、ファストエレファントはお客さん発注だけでトラックを作っているのかなと思っていました。でも、まず自分たちでデモカーを作って、それを売っていますよね。それができる会社は本当にすごいと思ったんです。ファストエレファント発信で、それ自体がトレンドになるという流れがしっかり見えたんです。だからこそ、もし3 Dペイントがカスタムトラックの世界に広がったら、「すごいことになるな」と確信したんですね。でもあり得る、と思いました。

バイクや車とは違う、トラックにカスタムする意味

____この技法はポテンシャルがあって、あらゆるデザインの可能性が高いんだけれど、これまではバイクや車の世界だけに限られていました。それが広がりを持つ可能性を持っている、ということですね。

:そうです。クルマやバイクは、すごく趣味性が高いんです。あれだけの労力をかけても、たった一人を満足させるためだけのものですから。だからこそ、あの人がやってるなら、私はやらないとか、そういう個人の好き嫌いになっちゃいますよね。でもトラックは働く車なんですよ。トラックでお金を稼ぐ人たちが、道具として使っているものなんです。それって、趣味で週末に乗る車やバイクとは全く違うんです。だからこそデコトラは飾ることに対して、あれだけのプライドを持つことができるわけです。仕事をしながらお互いを見つつ、「どうだ」と競えあえる。もともとはそういう文化だったのかな、と思うんですよね。

____デコトラも変わってきましたが、内なるものは変わっていないと思うんですよね。仕事も、毎日も寝食も共にできる24時間一緒にいる相棒は、やはり相棒として愛さずにはいられない。むしろそうして一台の「トラックを愛してほしい」と考えているのがファストエレファントですよね。

中西:そうですね。

:僕にとってファストエレファントは、車やバイクのカスタム屋さんとは違うんですよ。働くトラックでお金を稼ぎ出してそれをトラックに注ぎ込み、それをご褒美としてさらに頑張る。これってもう趣味性のものではないんですよね。それをアルフレッドさんとかと話していても感じるし、現場もリアルに見させてもらって感じたことです。僕自身も小さい頃からデコトラが好きだったから、トラックが好きなんですよ。アメ車のカスタムももちろん好きだけど、正直に言って、トラックにできるワクワク感の方が僕にとっては大きかったです。「何が起こるんだろう」という未知の領域ですよね。 自分の手がけた3Dペイントのトラックが横浜でコンテナを引っ張っている姿を見かけたら、「めちゃくちゃ嬉しいだろうな」って思うんですよね。

カスタムペイントに憧れた10代

____分かります。

:この黒の3Dがうわっと入っているデザインもそうだし、もっと日本のトラックらしく和のテイストを強くしたデザインも可能だと思います。モチーフを龍や虎にすることだって可能です。

____超ジャパネスクですね。

:本当です。超ジャパネスクです。それが最新のボルボトラックに描かれていたら、めちゃくちゃかっこいいし、海外から見ても「日本のトラックはどうなってるんだ」って衝撃を与えると思うんですよね。そもそもデコトラ自体が海外から見たら強烈な文化ですからね。絶対に話題になると思います。

____では、ここで星さんの経歴を振り返っていきたいのですが、まず車やバイクからこの世界に入って行ったんですか。

:そうです。まず中学生から始まる、バイク好きから入りました。もともと絵を描くのが好きだったので友達に頼まれて絵を描いたりしていました。名前だったり、レタリングだったりですね。自分もバイクに乗るようになって、イベントに出かけたりする時に目立ちたいから、自分で描いていきました。

____なるほど。

:それで本格的に「覚えたいな」と思って、地元の板金塗装屋さんに飛び込みました。でも事故車を直す会社だったのでやりたかったエアブラシや、カスタムペイントをやらせてもらったわけではありません。ただすごく基礎はしっかりした会社だったから、私に徹底的にペイントの基礎を教えてくれました。それで当時、アメ車がどんどん日本に入ってくるようになって、自分も「アメ車が欲しい」って思ったんですね。でもその当時の給料では、とてもとても買えませんでした。

渡米はお客さんの一言

____どんなアメ車が欲しかったですか。

:F100というトラックです。いわゆるパンプキンと呼ばれる形ですね。それがめちゃくちゃ欲しかったんです。その当時で400万円とかしていたから、自分の給料ではローンも組めなくて、「乗りたい乗りたい」と言ってる間に、自分の知り合いが買い出したんです。ハーレーも買い出す友人がいて、こんなに欲しいのに自分には買えない。だったら「アメリカに行くしかない」って思ったんですね。当時のお客さんから、そんなにアメリカに憧れがあるなら、自分でアメリカに行けばいいじゃないって言われたんですよ。

____なるほど。

:当時は僕が板金整備で、兄貴が整備の仕事をしていたんですが、二人で将来的にカスタムショップをやりたかったんです。それで、それを聞きつけた兄貴が先に10万円だけ持って、アメリカに行ってしまいました。半年後に、僕も行って、兄貴と一緒に住めるか住めないかを考えていたんですが、その時は兄貴が苦労をしている姿も見ていたし、「自分にはできない」と思って帰ってきたんです。そこで一旦、板金の仕事を止めてアパレルの仕事をしていたんですが、心のどこかではやっぱり「レタリングやカスタム板金をしたいな」と思っていたんですね。

____夢が諦めきれなかったんですね。

:それで4年後に「また行きたい」という気持ちがふつふつ湧いてきて、お金を貯めるためにコカコーラで働いて、ビザを取ってアメリカに行ったんです。半年ぐらい仕事が見つからず苦労していたのですが、偶然にカワサキのバイクを集めてレストアして、日本に送る仕事をしている人と知り合えました。その倉庫がすごいんです。巨大なガレージにボロボロのZ 1(900SUPER4)、 マークII(KZ1000Mk.II)や ZR(ZR-7)なんかがぶわっと置いてあった。それを2週間に1回、全米からかき集めてきて、一気にレストアしていくという仕事をしていたんですね。

3Dペイントをいかに発明したか

____壮大なビジネスですね。

:「アメリカにペイントをやりに来たんだよね?だったらうちの仕事やらない?」となって半年後にやっとその仕事にありつけました。その社長から「これを塗ってきなよ」と言われて Z 1とローソン(エディ・ローソンのレプリカモデル)のライムグリーンカラーと、ヨンフォア(ホンダCB400FOUR)の赤と3セット、渡されたんですね。それで日本から持っていったお金で道具を買って、塗ってから社長に持っていったら、「これならお金が渡せるよ」と言われて仕事が始まりました。1セットやると350ドルをもらいました。それからビザの期限ギリギリの5年間、そこで仕事をしていました。

____それは嬉しいですね。

:それでやっとペイントを自分の食い扶持にできたんですね。その5年間で福島に帰ってきたんですが、やはりこの田舎ではカスタムの仕事なんかありません。でも技術があるから紹介してもらって、東京のハーレーショップで描かせてもらって、東京と福島を行き来するような生活が始まったというわけです。もちろんそれだけでは食えなかったので、事故車も直すし、トラックも塗るしという感じでした。遊園地の遊具を塗ったりもしました。

____3 Dペイントの技法に出会ったのは、どういう経緯だったんですか。

:3 D ペイントとの出会いは、都内の有名なハーレーショップからもらった塗装の仕事で、フレームをメッキ塗装のように塗る仕事だったんです。塗料は実際にメッキ塗料として販売されていたのですが、ものすごく施工が難しかったんです。実際にメッキのようになる、と聞いてはいたものの、仕上がりとしてはステンレスとかアルミのポリッシュの見た目に近かったんですね。その時に偶然にできたマスキングテープと塗装面の段差が、もうすごく恰好良かったんですね。3 D で見えて。ちょうどインディアンジュエリーのシルバーの輝きに似ているように思えたんですね。その時に作った最初のサンプルがこれです。バイクにインディアンジュエリーってありだよなって考えながら、ここからどんどん派生していった感じなんですね。

本物のターコイズ石とシルバー細工に見える初期作品。

シンプルを追求したキングスカスタムペイント流の3Dペイント

アルフレッド:これは本当の石なんですか。

:これは水色の粘土で固まるやつを買ってきて、ターコイズっぽく黒を塗っているんです。 結局、彫金のエングレービングだけだと彫金師から「俺の方はリアルだ」と言われてしまいますよね。だからこそ組み合わせる発想で創ってきました。工業デザインも組み合わせながら、最後にはマイナス(引き)のデザインで仕上げてきました。日本のデザインというのは、やっぱりすっきりしていてシンプルですよね。寺社仏閣を見ても、僕はそれを感じるんです。ヨーロッパもそうですけど、アメリカ人に真似できないところはそういうところですよね。だからこそボルボのようなデザインに、和のテイストを入れていく発想は絶対にハマると考えたんです。

____3Dペイントはそれまでのカスタムペイントと、どう違っていたのでしょうか。

:今までの考え方は、エアブラシで陰影をつけていたんですよ。エイジングしたり、立体感を出すために影を描いていった。それを探求してきたのが、今までの日本のペインターだったわけです。それなら本当に立体的にして見せられるかも知れない、そう考えて「やってみます」と始めたのが私です。やるなら、恰好よくしなきゃいけないとやり続けた中で、自分の周りから徐々に広がっていきました。その先は、触っても気持ちの良い触感にしたいと考えて、サンドペーパーの番数を上げながら仕上げていくと、納品した人が「これを触るのが好きなんだよね」って言ってくれたりするんですよね。3 Dペイントは触れる感覚としても楽しめるペイントなんですよね。

キングスカスタムペイントならではの、触れたときのリアルさにこだわる3Dペイント。

特別な称号としての3Dペイント

中西:こうやって、技法を聞いて初めて可能性が広がる気がします。説明が何もなかったら、このタンクが恰好いいかだけの判断になっちゃうので、このままを何かに移植する発想しか湧いてこないけれど、技法を知ることで、まだ見ぬ可能性も想像したくなりますよね。そうやって応用が利くんじゃないかな。

____その通りだと思いますね。

:僕にとっては「それがトラックだと」いうことがすごく重要なんです。トラックに応用を利かせたい。出来ることが分かれば、「これありだな」と答えが出るんじゃないか、と。それは例えば「ここに描きました」というデザインじゃなくても、全体の中にさり気なく入っている技法としても3 D ペイントには可能性があると思っています。それが楽しめたら、すごいなと思いますよ。龍や虎もそうですし、唐草模様や日本人の好きな格子柄だったり、描けばいやらしくなるデザインも3 D で見せると、自然に見せることが可能です。例えば会社名の英語のtransporter なんて言葉も、刻印で表現することができます。必ず同業者の注目の的になります。そうやって、みんなに喜んでもらえてツボをついた使い方みたいなことをやれたらいいですね。

1mm単位で切れるレーザーカッターで切り出した鉄板を金色に塗り、内部に埋め込んでいる。非常に精緻な造りで、リアルさと高級感が際立つプレート。

____そういうデザインのマークが、トラックに統一で入っているとかっこいいですよね。 ちょうどボルボのアイアンマークの代わりに3 D ペイントの会社のロゴを入れるとか(笑)。手の込んだ造りだし、高級感もある。

:僕が貝殻にはまっているのはひとつとして同じ素材はないし、樹脂の厚みやガラスの厚みが加わると、よりアクセサリーとして際立ってくるからなんです。

____優良ドライバーはこのプレートをつけられるとかですね。

中西:良いですね。これで FE 用のコーションプレートを作ってみたいです。

星 健二(ほし けんじ)様
1969年生まれ。埼玉県三郷市出身。1977年に福島県に移住。1988年に高校卒業後、地元の板金塗装会社に入社。1994年、渡米しあらゆるアメリカンカルチャーに触れカスタムペイントの基礎を学ぶ。1999年に帰国。2000年よりキングスカスタムペイント事業開始。現在に至る。

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