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新型 日野プロフィア

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最速!新型プロフィア試乗レポート

最速!新型プロフィア試乗レポート

このコーナーではヨシノ自動車が今後販売する、気になる商用トラックのニューモデルを試乗し、最速リポートします。第2回では14年ぶりとなるフルモデルチェンジを行った日野プロフィアです。グレードは380馬力。プロシフト仕様のウイング車です。待ちに待った新型プロフィア試乗。発表から4カ月で、ようやく乗ることができました。試乗当日が横浜日野自動車さんのデリバリー開始の日と重なっていたので、今頃、日本のどこかで新型プロフィアが街を走り出していることでしょう。試乗していても、ドライバーの視線を釘づけにする新型プロフィア。その乗りごたえはどうだったのでしょうか?

文:青木雄介
写真:青木雄介、大島宏之

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新型プロフィアは安定の“日野の顔”

新型 日野プロフィア

まずエクステリアからいくと正面中心に日野のロゴがあり、両端にあるヘッドライトがそれを下支える構図になっています。フロントグリル、サイドパネルともに筋肉質で躍動感のあるデザイン。ウインカーはヘッドライトに格納され、前モデルの2代目最終型の商用車然とした顔つきに較べると、華があります。常時点灯しているシグニチャーランプがあって、特徴あるフロントグリルなど、ギガやスーパーグレートにも共通したトレンドがありながら、安定の定番感をかもしだすあたりはさすが日野という感じです。

ボルボをおもわせるハイルーフ

新型 日野プロフィア

さぁ、乗りこんでみましょう。まずハイルーフの高い空間に圧倒されます。立って着替えは出来ますし、収納スペースも抜群です。この思いきった空間仕様は、ボルボをおもわせます。長距離でプロフィアを入れるなら、ハイルーフ一択にしたいところ。

VIP感が強く、疲労軽減がはかられたシート

新型 日野プロフィア

シートですが、肉厚の高機能シートの座り心地はVIP感強しです。ダイヤモンドステッチの布地に合皮の組み合わせは勇気のある選択だなと思いますが、日野のポジションを象徴し、他メーカーとの差別化をするには一役買いそうです。特にこの高機能シートはシートベルトと一体型になっているのですが、座位置のフィット感同様に身体正面もフィットしている感覚がするので、バックやホームづけの際でも集中力を妨げられません。
前モデル最終型まで採用されていたイスリングハウゼン社のシートも素晴らしかったですが、新シートも負けていない印象。特にシートサスの減衰力は大きめで跳ねをおさえ、疲労軽減のために徹底的に吟味された印象があります。

これまでのトラックとは一味違った気分になるキャビン

新型 日野プロフィア

新型 日野プロフィア

ラウンド型にゾーン配置されたスイッチ類は使い勝手良しです。質感も高く、デザインとあいまって従来のトラックに乗っている感覚とは一味違っています。オートクルーズや車間の自動調整など走行に関する操作はハンドルに集約されています。レンジャーと、メーター、インパネ、ハンドルなどデザインが共有化されているので乗り換えても違和感がありません。これは分かっていても、新鮮な驚きがありました。中型、大型は一貫して日野という流れをとても自然なものにしてくれると思います。

キャブサスの改良効果が出た低振動に驚く

新型 日野プロフィア

エンジンをかけると9リッターの新エンジンA09Cが静かに目覚めます。音は静かで前モデル最終型のE13Cとは明らかに静音性が違います。さらに新型レンジャー同様に低振動に驚かされます。これは単純にエンジンが小さくなったことと、キャブサスの改良の成果とのこと。
特に今回の試乗車は8×4(エイトフォー)なので、乗り心地は最高でした。この車両はプロシフトなので12段変速のオートマチック。今回の新型の話題としてシフトチェンジャーがダイヤル式になったのはご存じの通り。

スローシフトとクラッチペダルの併用

新型 日野プロフィア

ここにホームづけするのに便利なスローモードが、前進後進両方ともについています。さらになぜかこの車両はクラッチもついていてスリーペダルなのです。レンジャーのプロシフト仕様にはついていなかったクラッチペダルがプロフィアにはついている。これはスローモードを使用しつつ、さらに繊細な速度調整を求めるドライバー用なのだと理解はできますが、それであればスローモードは要らなかったのではないか、という疑問も残ります。

文句なしのプロシフト

新型 日野プロフィア

走りだすと、改良されたプロシフトは非常に良い印象です。シフトチェンジに不自然さはなく12段を自在に操作してくれます。特にエコモードは物足りないのが当たり前ですが、新型プロフィアのエコモードはノーマルに劣らないパワー感があります。それでも70キロ前後でも12速を使用しているので、低燃費走行に徹している様子がよく理解できます。今回の新エンジンA09Cでは空荷でリッターあたり4.2キロメートル程度の走行が可能とのこと。前モデル最終型の13リッターE13Cでは3.5キロとのことですから、16%程度燃費が向上しているようです。

重宝するシフトレバーで好みの走りを演出する

新型 日野プロフィア

エコドライブをしながらも「ちょっと力が足りないな」という時に、キックダウンのシフトチェンジ、またはハンドル下のシフトレバーで喝を入れられるのは重宝します。シフトレバーはちょっとした変速には最適ですが、12段あるので常時使用は現実的ではありません。空荷でエコモードまたはノーマルモード、積載時でノーマルモードまたはパワーモードのオートマチックを選択しつつ、適時シフトレバーで気持ちよく走るのが最良と感じました。上手なドライバーであれば力が足りてないときのシフトダウン以外にも、パワーモード時でも余計なエンジン回転をおさえ高いギアを選択してあげることで、さらなる低燃費運転も実現しそうでした。

新9リッターエンジンは日野とIHIの国産技術の結晶

新型 日野プロフィア

シフトチェンジにしろ、キックダウンにしろ、わずか1,600回転でトルクのピークを迎える仕様のツインターボがこのエンジンの生命線と感じました。エンジンが9リッターでも、いわゆる「下からもりもりくる感じ」のターボを製作しているのはIHIです。余談ですが、フェラーリが初のターボエンジンを搭載するにあたり、パートナーに選んだのがIHIで、一番の理由はターボラグの圧倒的な解消率でした。純国産メーカーである日野の心臓を支えるのが、日本のタービン技術の本丸ともいえるIHIというのは、なかなか感慨深いものがありますね。

静かにドライバーを見守る安全装備

新型 日野プロフィア

新型 日野プロフィア

安全装備はレーダーセンサーと画像センサーで認識するPCSや車両ふらつき、車線逸脱警報が動作していて万全の態勢です。話題の前車自動追従システム、スキャニングクルーズⅡは高速での使用機会は得られませんでしたが、ハンドルでの手元一発操作で非常に重宝しそうです。前モデル最終型のときにうるさく感じた、安全装備やエコ運転指導のシグナルやインフォメーションは逆に静かすぎるほど目立たなくなっています。

試してみたい可変配光型LEDヘッドランブ

新型 日野プロフィア

また同じく使用する機会はありませんでしたが、可変配光型LEDヘッドランプは間違いなく良いです。常時、上向きでライトがつきながら前車や対向車を検知するとその部分だけ配光しないようにするヘッドライトですが、常時上向きにしておける安心感は夜間を走行するドライバーなら誰もが納得できるものでしょう。

新型プロフィア試乗のまとめ

新型 日野プロフィア

9リッター380馬力でプロシフト。間違いなくここが主力となると思います。今回、選ばない理由はないぐらいに進化したプロシフトですが、実燃費はベテランドライバーがマニュアルで運転する燃費にはまだ敵わないこともあるようです。ただ今回の新型プロフィアを導入する理由を「疲労からの解放」と考えるならば、この改良型を機会にオートマチック導入を決断するいいタイミングだと言えるでしょう。新型プロフィアは静音性、低振動はもちろん快適この上ないシートサスやハイルーフ、長距離で効果を発揮するスキャニングクルーズⅡなどドライバー思いの機能に優れています。このトランテックス社製のウイングシャーシは最大積載量が13,900キロとれていますが、キャビンそれ自体の重量はエンジンが軽量化しているにも関わらず、13リッターの前モデル最終型とほとんど変わっていません。これは新機能の機器搭載による重量増です。それなのに前モデル最終型のウイングから400キロも積載量が増えているのにはエンジン、フレームの軽量化とともにブレーキやサスペンションなど、あらゆるパーツに軽量化の目が向けられているからです。たとえばリアのエアサスはブラケットを2本から1本に変えたことにより、それまでの路面からの入力を優雅にいなす日野の独特の足回りではなくなったと感じられるかも知れません。あくなき軽量化の課題と向き合いながら、外観、インテリア、運動性能ともに進化をとげた新型プロフィアには多くの取捨選択があり、新型ならではの開発陣の意思が見えるのです。

新型 日野プロフィア※収納性は抜群のハイルーフ。ほとんどセカンドハウスです。

新型 日野プロフィア※トラックとはおもえないメーターパネルとインフォメーションパネル。

新型 日野プロフィア※純正のラウンドカーテンはキャビンの形に合わせて裁断されています。

新型 日野プロフィア※試乗車はトランテックス製のウイングが架装されたメーカー完成車。コスト減とともに圧倒的な軽量化が図られています。

新型 日野プロフィア完成車の観音ロックバーは左右1本ずつ。もちろん軽量化のためですがとてもラクです。

日野プロフィア 取材協力:横浜日野自動車株式会社 相模原支店 TEL: 042-777-6150

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メーカーHP:日野 新型プロフィア

新型プロフィアトラクターヘッド最速レポート

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鍵人訪問記 日野製品開発部
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