新型 ふそうスーパーグレート

ハロー!ニュートラック!

最速!新型スーパーグレート試乗レポート

最速!新型スーパーグレート試乗レポート

このコーナーではヨシノ自動車が今後販売する、気になる商用トラックのニューモデルを試乗し、最速リポートします。第3回では21年ぶりとなるフルモデルチェンジを行ったふそうスーパーグレートです。グレードは新開発エンジン7.7リッター、354馬力のウイング車。全車AMT化やダイムラーグループの先進技術が全面的に投入されていることで、話題になっているスーパーグレートですが、実際その乗り味はどうだったのでしょうか? 徹底レビューします。

文:青木雄介
写真:青木雄介、大島宏之

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シンプルな機能美を感じさせるフロントフェイス

新型 ふそうスーパーグレート

まずフロントフェイスはひとめ見て、ふそうと分かるデザインに感心します。デビュー当時から、フロントフェイスに根強い支持があったスーパーグレート。バンパー格納型のヘッドライトやHIDを業界に先駆けて導入するなど、先進のイメージがデザインの新しさにも表れていました。そんなこれまでの大型トラックのデザインに革命をおこしてきたスーパーグレートの歴史を考えると、新鮮さという意味では物足りなさを感じてしまいますがその分、欧州のトラックのようなシンプルで洗練された機能美を感じさせ、そのデザインは正に新しいスーパーグレートを語っています。

インテリアは知的な男らしさを演出

新型 ふそうスーパーグレート

新型 ふそうスーパーグレート

さっそく運転席に乗り込んでみましょう。ステップを上がると先代にくらべて、視点が高くなったような腰の高さを感じさせます。一新されたコクピットの最初の印象はシックな男の仕事場です。シルバーパーツと黒の取り合わせがシンプルで、かつ質感も高いのでビジネスマンの高級な名刺入れやPCケースのようなスタイリッシュさがあります。とはいえ、一新といいながら左側には先代から引き継いだフロアコンソールがドンと鎮座しています。

安定のフロアコンソールは「らしさ」を残しつつも……

新型 ふそうスーパーグレート

収納性がとにかく抜群なこのスーパーグレートのフロアコンソール。自分が大型のドライバーになりたての頃、まぶしく見えたスーパーグレートの象徴ともいえるあのコンソールが同じ形で、21年間、まだ現役でいることは驚異といえます。日報などを入れやすく便利ですが、その上に立って着替えるなどは出来ないので、実は空間を狭めている主犯格。良くいえば、らしさを残してきた訳ですが21年ぶりのモデルチェンジは、このフロアコンソールを変えてこそではないか。そんな気がします。

ベルトインシート、エアサスシートとも座り心地は良好

新型 ふそうスーパーグレート

日野の新型プロフィアと同じく、スーパーグレートのベルトインシートはいい感じです。普段からストレスなく使え、バックやホーム付けの際でも外さずに済む利点は大きいです。座イスの形状も硬さも驚くほど、プロフィアに搭載しているシートに似ているのには驚きました。ニーズとして求められている方向性が一致していることを物語りますね。シートサスの減衰力も大きめで、その存在を感じさせないほどゆったりと腰のある受け止め方をします。

低振動と静粛性は純国産メーカーに軍配があがる

新型 ふそうスーパーグレート

カードキーを差し込み、プッシュボタンでエンジンをかけます。この儀式はスタイリッシュでとても良いです。ただ低振動と静粛性に関しては先代よりも確実に静かでディーゼルバイブレーションも抑えられていますが、驚異的だった純国産メーカー2社のそれと比べるともうひとつ。あくまでも贅沢を言えばですが、エンジンをダイムラーより供与されている悲しさというか、これはボルボにも言えることですが、欧州系のトラックメーカーは静粛性においては純国産ブランドのち密さに欠ける印象があります。

シフト操作はシンプルの極み

新型 ふそうスーパーグレート

ハンドル左のシフトレバーをDレンジに入れてスタート。この辺のシンプルな作りは本当に良いです。ブレーキから足を離せば、あえてクリーピングしてくれるので、普通のオートマチック感覚で走りだします。バックももちろんクリーピングで微速後進します。個人的には、これで大型のホームづけは充分だと感じました。同時にトラクターになったとき、トレーラーをホーム付けさせるには3ペダルが欲しくなるかもとも思いましたが、そこはすすんで時の流れに身を任せたいところ。慣れればまったく問題ないと思います。

新シフトShiftPilotの実力は間違いなし

新型 ふそうスーパーグレート

走りだすと新シフトShiftPilotが存在感を見せます。スムーズな加速感や減速時のニュートラル状態での惰性走行など、トラックのオートマチックシフトに求められていることを、そつなくこなすあたりは前評判通りです。ふそうによれば、「適切な燃料噴射制御とギヤ段選択や積極的なエコロール作動により、無駄な燃料消費を回避し燃費を向上するシステムが標準設定されている」とのこと。それに加え、オートクルーズ使用中にGPSと3D地図情報によって道路勾配を予測し、省燃費走行を図るパワートレーン3D予測制御システムがオプションで設定されています。

欧州のメーカーでは積極的に取り入れられている機能で、長距離運行での燃費節約に一役買いそうな機能もあり、これらは全車AMTにした新型スーパーグレートならではの機能と言えるでしょう。ただオートマチックのドライブモードにエコやパワーといった選択はありません。ある程度、シフトレバーの上げ下げでドライバーが介入できる余地を残し、もっとも最適なシフトをAIが選択することで、低燃費でエンジン特性に応じたトルクもしっかり引き出せる運転が可能という自信があるからなのでしょう。

7.7リッターの新エンジンは主力になりえるか?

新型 ふそうスーパーグレート

またスーパーグレートの代名詞ともいえた、ターボの回転音はほとんど聞こえません。先代までのオートマチックシフトであるイノマットの演出がかったシフトチェンジ音も鳴りをひそめました。よくいえば自然吸気エンジンに戻ったような印象があります。ふそうによると、ドライバーが好む音に変更を加えたとのことですが、ターボの音にらしさを感じていたスーパーグレート乗りの皆さんには、ちょっと残念な仕様変更かも知れません。さてこちらのエンジンは7.7リッターの6S10型で354馬力。主力エンジンの馬力としてはまずまずですが、気になるのはトルクが1,400ニュートンしかないことです。

試乗は空荷なので気になりませんが、フル積載では確実に挙動が重たくなりそうです。家具や小口の定期便など軽量なガサ荷を運ぶのには充分と感じつつも、重量が増し、通常走行でベタ踏みばかりになると当然燃費も悪くなってしまいます。7.7リッターの6S10型と10.7リッターの6R20型ではカタログ値では同じ4.25km/Lとなっています。このカタログ値を素直に受け取るならば、6R20型の方が排気量に応じた燃費性能はより優秀なエンジンということになり、ハンデは500キロ程度の重量だけということになります。

中央道を走るなら断然10.7リッターを選びたい

6R20型のトルクは余裕の2,000ニュートン。日野の新型プロフィアの主力は1,765ニュートンですから、フル積載で東名牧ノ原の坂を上がるには、どちらのどの仕様のトラックを選べばいいかは一目瞭然です。もちろん新型プロフィアにも13リッターの410馬力2100ニュートン仕様があります。牧ノ原の坂はあくまで例えですが、中央道を主に使うような場合は、馬力とトルクに余裕がないと運行そのものがストレスになってしまいます。仕様の選択は荷種と使用道路を考えて慎重に行いたいところですね。

過信は禁物。ダラダラ走行には効くはずのプロキシミティー・コントロール・アシスト

新型 ふそうスーパーグレート

さて新型スーパーグレート話題の機能といえば、車間距離保持機能付きオートクルーズに、自動停止と自動発進を組み合わせたプロキシミティー・コントロール・アシストです。今回スーパーグレートが全車AMTに踏み切ったのは、この機能を全車に取り付けたかったからと言われています。ただこれがなかなかの難物で、試乗をした川崎周辺の一般道では先行車を認識してくれず、自動発進で自動停止という夢のある状況にはなりませんでした。これはふそうによると、高速道路やバイパスの利用を主目的としているため、一般道のような高低差があるところでは機能しにくいとのこと。ただ試乗中、何度か自動停止まではしてくれたので、その精度が高まれば一般道でもドライバーをアシストしてくれるのは間違いなさそうです。

全メーカー標準装備にしたいアクティブ・サイドガード・アシスト

新型 ふそうスーパーグレート

それと地味な機能ではありますが、トラック左側方を監視する巻き込み防止のアクティブ・サイドガード・アシストは非常に良い機能でした。試乗当日は大雨でミラーがみにくい状況の中、側方をすり抜けてくる自転車やバイクを何度も検知、注意を促してくれました。目視は怠れませんが、夜間や雨の日は必ずドライバーの支えになってくれます。

試乗のまとめ

新型 ふそうスーパーグレート

先代の13リッターから、一気にダウンサイズしてきた新開発の7.7リッターエンジンですが主力と見るのは早計です。15トン近くまで最大積載量が増えたとしても、フルで積載するとストレスがたまるトラックではドライバーがかわいそうです。その点、ダウンサイズしながら2,000ニュートンを確保している10.7リッターは相当、魅力的です。ここは主力で扱う荷種と運行経路次第でじっくり検討したいところですね。

新シフトのAMTは素晴らしい出来ですし、好き嫌いが分かれる新型プロフィアの内装に較べても新型スーパーグレートの内装は、広く受け入れられるデザインだと思います。話題の機能であるプロキシミティー・コントロール・アシストは、まだ限定的な使用範囲なので今のところ過度の期待は禁物です。ただ現在、メルセデスがEクラスで導入している自動追従とレーンキープアシスト、さらに車線移動まで自動でしてくれるドライブパイロットを体験してみると、自動運転におけるリーディングカンパニーの技術はすぐトラックにも応用されるだろうと実感できます。

その意味でこの先、3ペダルに戻ることはないだろうと、全車AMT化したふそうの判断は英断と言えるでしょう。さらに海外メーカーでは常識になっているGPSによるパワートレイン予測制御や、デジタコをインターネットで共有できるトラックコネクトなど先進の気風はダイムラーグループの力を得て、より加速しているのが新型スーパーグレートと言えるでしょう。

新型 ふそうスーパーグレートPABCOによるウィング・メーカー完成車。最大積載量は悲願の14トン超えどころか14,900kg!

新型 ふそうスーパーグレートXtra Vision LEDヘッドライトは欧州を感じさせるデザイン。

新型 ふそうスーパーグレートアクティブ・アテンション・アシスト。顔認識でドライバーを監視するカメラですが、ハンドルで隠れる可能性あり。

新型 ふそうスーパーグレート白線認識カメラ。この2つのカメラでふらつき運転を監視します。

新型 ふそうスーパーグレートウイングの開け閉めだけでも軽量化を充分実感できます。

新型 ふそうスーパーグレートPABCOの観音ロックはバーを排したビルトイン式。

三菱ふそうスーパーグレート 取材協力: 三菱ふそうトラック・バス株式会社

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メーカーHP:三菱ふそう新型スーパーグレート

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