株式会社ヨシノ自動車

トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第58回

「みんなのトラックフェス 2021 in ユーポート木更津を徹底レポート!」

「みんなのトラックフェス 2021 in ユーポート木更津を徹底レポート!」

みんなのトラックフェス 2021 in ユーポート木更津を徹底レポート!

さる2021年11月20日(土)にファストエレファントとセノプロが主催する「みんなのトラックフェス 2021」が千葉県木更津市のユーポート木更津で行われました。昨年の奈良市で行われた合同展示会を経て、場所を関東に移しての実施です。出展者数は44社、参加台数は76台。綺麗に刈り取られた広大な芝生の上にトラックが並ぶ、牧歌的で最高のロケーションです。さてその内容はどうだったのでしょうか?

編集・青木雄介
WEB・genre inc.

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やはりイベントのアイコン的な存在として欠かせないビッグリグカスタムショップのピータービルト377。オーナーの加藤さんへのインタビューはぜひこちらで!

入口近くに展示された蛍光グリーンのボルボFH。後ろにクルマが今にも乗ろうとしていますが、実際の積載はNG。ファストエレファントのアルフレッドによると「載るぐらい広い」とアピールしたかったそうです(笑)。ひときわ目を惹く後方のパネルは鍵人訪問記でも紹介していた螺鈿のパネルです。制作した星さんに話を訊きました。

完成おめでとうございます!見事な螺鈿パネルですね。

「製作に2ヶ月かかりました。黒のベースにレースの透かし模様を入れています。太陽が当たることを想定して、パールのグリーンで透かし模様を目立たないように入れています。あまり入れすぎるとデザインの邪魔をしてしまうのでそこは細心の注意を払いました。いつも寝かせて作業しているので、こうやって立てて見るのは私も初めてなんです。これだけ大きい形(横2 mと縦2 m 20cm)ですので、全てパソコンの中でデザインをイメージしてきました。今日はこうやって初めて取り付けられた姿を見て、バランス的に「全く問題なかったな」と安心しました」

星さんのインタビューは鍵人訪問記でご覧ください!

このファイアーパターンはもちろんFEではおなじみのピンストライパー、ケン・ザ・フラットトップ氏によるもの。オーナーはコンセプトカー・アベルのオーナーであり、今後2台に共通のペイントデザインを追加していく予定とのこと。楽しみですね!

アベル作例 詳細はこちら

昨年の展示会に引き続き、共同出展パートナーであるセノプロ。社長の瀬野博之様に今年も話を伺いました。ひときわ目を惹くスカニアR520とふそうのスーパーグレートについて。

すごいリアウイングですね。いまにも空を飛びそうです。

「160 km/hぐらいでダウンフォースが効くようになっています(笑)。もちろん90 km/h 以上は出せませんけどね。スーパーカーのイベントなどに出品する際にちょっとパンチを効かせなければいけないなと思い、作りました」

スカニアR520のV8限定モデルですね。

「セノプロらしさといえばエアロやリップスポイラーですよね。すべてオランダから取り寄せたパーツです。それと煙突マフラーに注目して欲しいです。この煙突マフラーは可変バルブ付きです。普段はノーマルの排気管から排気が出ますが、ボタンひとつで煙突からも出るようになります。上のバーはライトフィックス。レーザーのフォグランプ。ハドレーのエアーホンをつけています」

よく見るとフロントグリルの黒に違いがありますね!

「部分塗装にして、グリルをピアノブラックにしてヘッドライト周りを黒にしてシンプルに行きたいと思いました。このライトはオプションの純正フォグランプです」

昨今のスカニア人気についても訊きました。

「ヨーロピアンスタイルの人気だけでなく、スカニアの登録台数は右肩上がりですね。導入することで看板車という扱いになると思います。実際は50台まるごとスカニアというような会社はないですよね。ただ50台あれば1台か2台は看板車として「スカニアが必要だ」という認識が広まっているのではないでしょうか。とにかく売れていますね」

そして今年の看板デモカーのスーパーグレートですね。

「今年は通常のグラインダータトゥーにピンストライプを入れました。基本的なスペックはこれまでと一緒です。新しいカスタムだとワイパーガードをつけたり、フォグランプも新しいのをつけています。このバイザーも新品ですね。このアイラインガーニッシュはセノプロ・オリジナルです」

ホワイトリボン、恰好いいですね。

「今回はコンチネンタルタイヤにホイールはクライメイトを提案しています。こちらのタイヤのホワイトリボンはオリジナルデザインで、圧着シートで貼り付けています。こちらは2021年モデルですが、2022年モデルはショートキャビンで作ろうかなと考えています」

セノプロさんの鍵人訪問記はこちらでどうぞ。

鍵人訪問記でもおなじみの鹿島旭自動車ボデー株式会社さんはボルボFHの塗装提案をしていました。社長の原 秀崇様に訊きました。

「今回は塗装の見本として車両を持ち込みました。セールスポイントはグリルのゴツゴツとした塗装の質感です。タフライナーというポリウレア塗装。化学反応で塗料をかためる塗装です。その塗装を今回はグリルとリアフェンダーに施しました。まだトラックでの需要はないのですが、乗用車ではすでに施行されているお客さんがいらっしゃってジムニーのオーバーフェンダーだったり、社用車のプロボックスだったりにも施工しています。

鹿島旭自動車ボデーさんの鍵人訪問記はこちらでどうぞ。

スカニアと欧州製トレーラが代名詞のトランスウェブさんも出展されていました。ケスボーラー社のコンテナシャシーにオフィスに改造できるコンテナを積載。シンプルなのにひとめで分かる展示は「さすが」という感じです。企業の詳細はぜひ鍵人訪問記でご確認ください。

トランスウェブさんの鍵人訪問記はこちらでどうぞ。

ひときわ目を惹くマジョーラカラーの2台のド派手なスーパーグレート。重機輸送の運送会社でありカスタム架装も手がけている御殿場の株式会社Car’z様が出展していました。さっそく代表の鈴木計行様に話を訊いてみました。

ド派手なスーパーグレートですね!

「弊社は全て自作です。このトラックのテーマはパイプアートです。すべてをパイプで表現したいと考えました。造ったのは4年前ぐらいですかね。このサイドバンパーは本当にお金がかかりました。シースルーで作りこみましたからね。こうやってタンクが見えるのがいいですね」

「底面のパイプは全部根太のように左右に通しています。この踊り場に設置したパイプは空港の地下に配管をおろしている会社に造ってもらいました。この太さは他では絶対に作れないんです。この太いパイプの曲げるのが、とにかく普通の業者にはできない。径は286パイあります」

こちらのコンセプトを教えてください。

「こっちはキャンパスがでかいので「絵を書こう」と。全て内ヒンジにすれば境目が分かりません。そうするとキャンパスになるので一枚の絵にしたかったんです。絵の表面のざらつきをなくすためにクリアを何度も吹いています。この箱も鉄で作れば500kgになりますが200kgぐらいに抑えています。オールステンレスで骨はアルミで作っています。こっちのトラックは造って7年ぐらいですね。この煙突も車検に対応しています」

「このトラックもとにかく全部パーツは自作しました。このグリルはV6をイメージしています。例えばこのローバーも、下を擦った時に割らないように上に持ち上がるようになってるんですよ。それで力を分散させるために3分割させています。」

輸入トラックの架装は考えていらっしゃいますか。

「我々もスカニアを1台買ったのでこれから塗装と架装を行ってきたいと考えています。 まだどうしようかは考えていないのですが、こういう場所で刺激を受けて「これから考えたい」と思っています。溶接とペインターの力作になりますよ」

株式会社Car’s様のHP


© YOSHINO MOTORS

入口付近に展示されていたアクトロスベースのキャンピング(モーターホーム)トラック・コンコルドセンチュリオン1200。最近ではメディアにも取り上げられ大きな注目を浴びていた“あの”トラックです。総額2億円以上と言われるその内装や外観については下記、リンクをご参照ください。架装を手がけたファストエレファントのアルフレッドに話を訊きました。

「印象的なハイバー、マルチバー、ローバーの3点セットはジャンボというメーカーのものです。そこに各種ライトやヘラのフォグランプを取り付けていきました。さらにレーザーのライトを合計8個つけています。FEではこれを“スタジアム灯”と呼んでいました(笑)。さらにオラコのカメラを周囲3か所につけていて、死角はまったく無しです」

豪華な内装は動画でご覧ください!

© YOSHINO MOTORS

残念ながら当日の写真ではないのですが、スウェーデンのキャンピング(モーターホーム)架装メーカーであるカーベの車両も2台展示していました。メルセデスの商用車スプリンターをベースに、北欧的で清れんなデザインとハードな天候にも耐える快適性をもたせています。カーベを非常に気に入っている中西社長に話を訊いてみました。

「すごいでしょう?―50℃から+50℃まで、どんな環境でもキャンピングカーとして使えるんですよ。その辺はさすがスウェーデンという感じですね。とにかく断熱性に優れているんです。冬のキャンプは寒さとの闘いです。でもこのモーターホームの中にいれば、北海道の極寒でも凍死はしません。内装の質感もすごく良いんですよ。免許は中型免許が必要ですけど、今後は日本でも人気が出るだろうと考えています」

KABE本国サイト

これは驚き。ピレリのトラック用タイヤのブースがありました。輸入代理店は株式会社動動(うごうご)様。代表の石川光希様に話を訊きました。

「ピレリのトラック用のタイヤはもう日本に入ってきていまして、1年ぐらいになります。ピレリの一番のメリットは耐久性です。それとコストパフォーマンス性ですね。溝が深くてブロックの構造がしっかりしているので長持ちします。ビード(リムとの接合部)と肩(路面との接地面の角)に強化が入っています。ブロックの作りもヨーロッパのタイヤなので日本の構造とはちょっと違います」

どんな点が違うのでしょうか?

「同じサイズでも多少エクストラサイズになっているので耐荷重も大きくなっています。ヘビーデューティなトラック向きといえるでしょう。重量物を運ぶ用のトラックには最適ですね。販売の実績としては順調に伸びています。リピーターになっていただけていますし、確実に口コミで広がっています。今後はボルボやスカニアといった欧州製のトラックと積極的にコラボレーションしていきたいと考えています」

イベントのステージでは、マイケル・ジャクソンのモノマネで目下人気急上昇中のジャイケル・マクトン氏や俳優の木下ほうか氏が出演。ヘリコプターによる空の旅や、子供向けのアクティビティ、さらにカスタムスーパーカーの展示など多くの参加者が楽しんでいました。また当日はフリードリンク、フリーフードで各ブースには長蛇の列が出来ていました。

イベントを主宰しての一言

ヨシノ自動車 中西俊介:「ご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。この広大な敷地を貸してくれたサンコーさんには本当に感謝ですね。また弊社だけではなくセノプロさんを始め、いろんな出展者さんにご協力いただきました。弊社の力だけであれば、これだけの集客もできなかったと思います。我々としてもこういうイベントを主催するのは初めてで、至らなかったところも多いと思います。そもそも始めたきっかけとしては昨年、コロナ禍でイベントが全て中止になってしまって「自分たちで何かやろうか」と始めたのがきっかけです。それに引き続いての今回なので、このイベントは継続的に来年もやっていきたいですね。メーカーなどが参加するイベントは基本的にトラックショーでやればいいと思うので、良くも悪くも我々は自由度が大きいイベントをやってきたいです」

セノプロ株式会社 瀬野博之様:「とにかく天気に恵まれて良かったですね。この規模のイベントを、今後も引き続きやっていきたいと思いました。予想以上にお子さんがいらっしゃっていて嬉しかったです。前回はアルフレッドさんと2ヶ月前ぐらいにやろうと決めたのですが、今回も余裕がなかったですね(笑)。次回はもうちょっと先を見越して案内をしたいです。内容としては成功だと思っています。来年も引き続きよろしくお願いいたします」

ファストエレファント アルフレッド中渡瀬:「とにかく出展社の皆様に感謝です。子ども達にも喜んでもらえて最高です。小学6年生のFEチャンネルのファンという子が来てくれたのは感動しました。「あ、本当にいる」って(笑)。引き続き、セノプロさんとファストエレファントとサンコーさんで、自前で頑張りたいです。来年もやりますよ!」

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