株式会社ヨシノ自動車

トラック業界”鍵人”訪問記 ~共に走ってみませんか?~ 第59回

ヨシノ自動車中古トラック事業部

ヨシノ自動車中古トラック事業部

「新春特別企画“トラックのすべてを話します”2022」

2021年はコロナ禍としては2年目となりました。3密回避にソーシャルディスタンス、マスクといったライフスタイルも根づいてごく自然の光景になりました。オールトラックスであらゆるトラック事業に関わるヨシノ自動車もまた、すべての事業にわたって影響をこうむっています。今回は昨年に引き続き、新春企画としてトラック業界の2022年を展望します。現在、特に注視が必要な国産トラックメーカーの新車ラインがストップしている問題や燃料高、アドブルー不足といった経営環境をひっ迫させかねない問題。またボルボの新型FHの販売といった明るい展望についても語りました。さて2022年を共に乗り越えていくべきヒントは、どこにあるのでしょうか。その“すべてを話します”。

編集・青木雄介
WEB・genre inc.

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ヨシノ自動車・奥田
ユーザー営業。ベテラン営業の裏側にはサブカル好きの鋭い視点が隠されている。旧車も大好き。

ヨシノ自動車・中西
ヨシノ自動車社長。最近は新型FHのデザインプロジェクトを主導。ついに“中西社長のボルボ”が誕生?

ヨシノ自動車・鈴木
WEB営業担当。狙った販売計画や顧客も外さないし、マスクも“外さない”新世代営業。

ヨシノ自動車・早川
ユーザー営業。山口県出身で、正月は2時間かけて下関にふぐを食べに行く“行動派”。

ヨシノ自動車・渡辺
ユーザー営業。愛称は“ワイド”。闘牛の盛んな鹿児島県徳之島出身ではなくて、増トンワイドに由来する(推測)。

2021年はトレーラーを始める会社が増えた!?

____まず先に2年目となったコロナ禍における中古トラック業界はどんな感じだったのでしょうか。

渡辺:コロナ禍と言われ、2年目ともなると良かったのか悪かったのかよく分からないのが実感です。会社さんによって実情が違うんです。春先はスーパー関連の仕事は潤っていて、中国から物が入らないから長距離や海コンが駄目でしたが後半になってくると少し様相は変わっていったようです。個人的な実感なのですが、それまで傭車に出していた仕事を自社で手がけるお客さんが増えたように思えます。例えば重機の運搬も今まで傭車を頼んでいたのをセーフティーローダーやトレーラーを買って自社で手がけてみたり、納品に関してもコストを抑えるために自社でトラックを増車するパターンが多かったように思います。そういう問い合わせも「増えた」と思いますね。

____普段、お付き合いしているお客さんが新たな事業を開拓しているような感じでしょうか。

渡辺:そうですね。運送会社でも「自分の会社にトレーラーの免許を持っている従業員もいるので、やってみるよ」という感じですね。建設もそうですが、僕のお客さんで言うと設備の機械を納めているようなお客さんがトレーラーの仕事があると聞いて、トレーラーを入れて仕事にしているという感じでしょうかね。

____ということは、普段やっている仕事がちょっと薄いので「今までやらなかったこともやってみよう」と。

渡辺:仕事は薄いです。その上で社員が余っているので、そういう仕事をしようとしているところもあるようです。

荷種によって激しい差がある

____なるほど。「仕事が薄い」という話が出ましたが、他の皆さんの担当するお客さんはどうですか。

奥田:コロナの影響という意味で言うと、私が担当しているお客さん達は業績が良くないです。これまで割と手堅く仕事を展開されてきたお客さん達が「去年より今年の方が悪かった」という話をよくされます。去年は良くはなかったけれど、危機対処的に「なんとかできた」と。今年になって、その状況が当たり前になってきた中で普段の仕事にだいぶ影響が出てきているようです。皆さんは「ドライバーが足らない」と口をそろえる中でも、実際はドライバーに辞めてもらわざるを得なかった会社さんもあったようです。2ヶ月分ぐらいの給与を先渡しして、辞めてもらったという会社さんもありました。

____なるほど。

奥田:建設関係のお客さんは忙しいですね。それまで単車のダンプに乗っていたお客さんが、トレーラーのダンプに替えられたり。やはり積載が倍取れるので荷主の方からお願いされるケースが多いようです。土砂に関しては7月の熱海の土砂崩れ(伊豆山土砂災害)の影響がだいぶ出ていて、「仕事はあるけれど捨てる場所がない」という話をよく聞きます。逆に産業廃棄物は車が足りないほど忙しいそうです。特に建設関連から出る産業廃棄物は「都内の仕事が多い」ようです。2 トン 3 トンクラスで、フレコンに入れて運ぶような仕事。今後、2022年もこの辺の仕事は増えそうです。私が担当しているお客さんは良いお客さんと悪いお客さんとの差が激しすぎて、去年もその傾向はあったけれど2021年はより切実になってきた印象です。

冷食系は長引くコロナ禍の影響が鮮明に

早川:僕の担当しているお客さんはそんなに箱型のお客さんは多くはないんですが、箱型の車型の中でも雑貨などを運んでいるお客さんは時期によって仕事が薄くなったり濃くなったりしているようです。建設系に関しては「暇だ」という言葉はほぼほぼ聞かなかったですね。個人的には「今年は冷凍車があまり動かなかったな」という印象なんです。例年だと夏前やクリスマス前は必ず冷蔵冷凍車が必要になってくるのですが、「あんまり動かなかった」という印象でしたね。

奥田:冷凍車自体は動いているけれど飲食店用の業務食品がだいぶ減ってしまったので、その物量を差し引くと動きが良くない。スーパーなどの小売は非常に好調なのですが、好調と言われる大手スーパーほど運賃が良くないとも聞きます。私が知っているお客さんはその辺はやらないですね。だから「やれ」と言われれば仕事も受けられるでしょうけれど、どうにも「安すぎる」と。それだと「ぜんぜん採算が取れない」と言っていますね。

____昔からそういう荷主はありますよね。運賃は非常識レベル。好調で業務拡大して運送会社の手間は増やしても運賃は絶対に変えないという。では鈴木さん Web の方はいかがでしょうか。

鈴木:2020年のコロナが流行った時期から12月までの期間と、2021年の1月から12月を比較すると販売台数は変わらない印象です。正確に言うと若干、微増ぐらいですね。問い合わせ自体は増えつつあって特に2月以降は増えた印象です。

____問い合わせが増えると売上も増えるのでしょうか。

鈴木:そうですね。対象の車がなくてもお話をさせていただくきっかけができるので、それで増えるのかなと思います。

戻りきらない、かつての消費

____承知しました。全体を通して、ヨシノ自動車にとって2021年はどんな年だったのでしょうか。

中西:それぞれの営業の話は非常にリアルな話だったと思います。やはりお客さんによってすごく差がありました。カーゴ系にしても建設系にしても「皆が良い」というわけではなくて、その中で良い所と悪い所の差があった。加えるなら地域差も「すごくあった」という印象です。2020年よりも2021年は「その差がより大きくなった」ということですね。ヨシノ自動車の在庫を見ていると、早川君が「冷凍車が動かない」と言っていましたけれど、実は全体的にも動いていないんですよね。追加でどんどん在庫を補充していかなければいけない、という動きはなかったんです。

____なるほど。冷凍食品系が動かないというのはやはり外食産業が動かなかったということに繋がるんでしょうか。

中西:年間を通すとそうなりますね。

____ここ最近は持ち直してきたのでしょうけれど。

中西:うーん。肌感覚もありますが、昨年の10月1日から緊急事態宣言がなくなって本来ならそこから爆上がりじゃないけれど持ち直すことが期待されていました。けれどもそんなに荷の量は変わっていないんです。もちろんこの忘年会と新年会シーズンで10月、11月に比べて増えはしました。人出に比例して物量も多くなるのですが、飲食業界全体からするとコロナ前よりも7割ぐらいの売り上げというところなのではないでしょうか。そこもどうしても地域差が出てくると思います。もはやコロナ禍とは言えないフェーズに入ってきた印象ですね。「感染が怖いから人が来ない」ということではなくなってしまった。

____それは分かります。コロナ禍のライフスタイルが定着して家飲みをするようになり、かつてのように外で打ち上げをしたりとか、その期待すらしなくなった世相を反映しているのかもしれません。

中西:それに付随して、物流の流れも変わっています。飲食店向けの冷食などは仕事が薄くても、片方でスーパーの小売りのような所は元気がいい。個人消費に関わるような食品は伸びているんです ただ相変わらず、世の中はデフレ傾向が強いので運送費も低く抑えられているのかもしれません。なかなか複雑ですよね。

ここから本当の正念場が始まる!?

____本当に複雑ですね。ドライバーを欲しがっているところは本当に欲しがっているように見えますが。

奥田:ドライバーが欲しいのは山々なのですが、「売り上げはどうなの?」となると前より確実に下がっているのが実情です。

中西:弊社で言えばボルボでトラクターヘッドに限って言うと、海コンのお客さんが多いですね。その海コンのお客さんの景気もとにかく差が激しい。良いところでも、コロナ前より「7割ぐらいは戻ってきたな」ぐらいの実感ではないでしょうか。お客さんの平均値をとるとそんなところですね。決して以前のレベルには戻ってないんですよ。悪いところは半分のままだったりするし、結局のところ他の仕事をしながら回していく他ないんですよね。

____いよいよコロナ禍が定着してくることによって、厳しい実情が浮き彫りになっていきますね。それに加えて今年、トラック業界を賑わせた話としては、半導体不足もあります。それに伴うように燃料高もありました。間違いなく運送業界の経営環境をひっ迫させていますよね。

中西: その表立った痛みというのは「この2022年に来る」と思います。ここ半年で燃料が非常に高くなっていることもそうですし、そもそもトラックの仕入れ価格も大中小問わず上がっています。それも結構な額で上がっていますよ。

シャシーが入ってこないから新車が造れない

____どれぐらいの高さになっているんでしょうか。

中西:このコロナ禍の中でも排ガス規制や安全基準の変更などがあり、2回ぐらい各メーカーさんで価格の改定が行われていました。平均すると10%ぐらいは上がっているのではないでしょうか。もともとトラックは価格が高いですよね。その10%といえば消費税に相当する値上がりですから。

____それに付随して中古トラックも値上がりするわけですよね?

中西:中古に関しては上がっている車型もあれば、下がっている車型もあります。それは新車価格に釣られて上がっているというよりは、ボデーの架装で1~2年と納期がかかったりするものは上がるんです。そこは新車の価格帯がベースにはなっていなくて、車種のニーズがあるかないかの違いだと思いますね。

____コロナ前でもボデーメーカーの納期がかかる問題はありましたね。

中西:今は完全に架装に使うシャシー(キャブシャシー。メーカーから出る新車を指す)がないんです。

渡辺:いまディーラーがお客さんに「納期が未定になった」と、キャンセルをどんどん入れているという話を聞きました。納期が全然読めないので「それで仕事を組まれると困ってしまう」と。「キャンセル料はいらないから未定にしてくれ」と。例えば3月ぐらいに入れると予定していた車が「納期が見えなくなった」という話ばかりです。そうやって断りを入れているらしいです。

____それは相当にきついですね……。

中西:弊社も新車の販売は売り上げの3割ぐらいを占めるんです。在庫があるのでそれが全部なくなるわけではないんですが、明らかに1/3は消えるんですね。これはもはや、どうしようもないですね。

目をそらしていた厳しい現実がこれから明らかになる

____仕入れられないので、もはやどうしようもないですよね。

中西:この間、営業会議でも話したのですが今後は、とにかく仕入れの範囲を広げていくということに尽きます。そこはすごく重要になっていきますね。

____仕入れの範囲を広げる、ニーズの高い中古トラックを入れて埋め合わせるということですね。

中西:理想はそうなんですが、この新車の売り上げを埋めていくのは並大抵のことではありません。もちろん我々やメーカーのディーラーも大変ですが、私から見るとボデーメーカーが「もっと大変だ」と思います。もともと市場的には箱型がメインです。ウイングだったり平ボデーだったりドライバンだったり冷凍車だったり、世の中のトラックの大半を占める訳です。でもシャシーが入ってこないから、造れない。ある大手メーカーさんは毎月数億、数千万円規模の赤字を計上しているそうです。「このまま決算を迎えるのだろうか」と戦々恐々としていました。夏以降の原油高だったり半導体不足というのは海外でロックダウンをしていたり、洪水があったり、コンテナが不足したり、アジアやヨーロッパ由来の問題だったんです。派生だったんですよね、もともと。

____そうですね。

中西:とはいえコロナ禍が落ち着けばまた工場も稼働して、ある程度の損失で帳尻を合わせて「年末までにはなんとかなる」という見通しでした。自動車メーカーは特にそうですが、工場を休業していても期間工を雇用し続けているんです。復活するという見込みで。だけど実際は全く駄目になってしまった。トヨタも含めて乗用車はどんどん生産台数が上がってきましたが、トラックは逆にどんどん酷くなっているんですよ。それも見通しとしては、今年の1月、2月、3月でさらに生産台数が落ちていくとのこと。3月はフル稼働時の「2割しか回せないんじゃないか」という話なんですね。

____乗用車では半導体をつけるところまで他のボディは先回りしてどんどん作りだめしている、という話も聞いたんですが限界がありますよね。

中西:大中小それぞれで半導体以外の理由でも、部品が欠品していたりトラックを作れない理由が複雑なんですよ。その理由が各4メーカーで各々違うんですね。半導体と一言では言えなくて、実際は半導体じゃないところの部品不足や流通の問題が複雑に絡み合っているんですね。僕はこの状況は「本当に良くない」と思うんです。今のところ外見は割と何とかなるように見えているだけなんです。世の中は気づいてないけれども、去年のこの時期より格段に状況は悪くなっていると思います。

高騰しはじめた中古トラックの相場

____国内メーカーとボデーメーカーの危機ですね。まさか今年にその大きな波が来るとは思いもしませんでした。

中西:ここからが本当の体力勝負になってくるでしょうね。特に政府の公的融資ですが、弊社をはじめ大半の企業さんが利用しています。コロナ禍も3年目に入ってくるので早いところだと来年の4月、5月から返済が始まります。そうなると実質的に払えなくなる企業も出てきてしまうでしょう。

____さらに借り入れしたいぐらいなのに返済ですか。それは厳しい。

渡辺:現場はまだ悪くなり始めという感じですね。11月ぐらいまではディーラーの営業さんも「まぁなんとかなります」と楽観的だったのですが、先月から「まずいかもしれません」、いまや「未定です」と表情をこわばらせていく一方なんです。そうやって、どんどんトーンダウンしている真っ最中です。鈴木さん、最近は業販の問い合わせが多いですよね?

鈴木:そうですね。特に12月は多かったです。

渡辺:11月ぐらいから「ディーラーさんが車を探している」といった問い合わせが増えました。一般のお客さんの問い合わせは特に多くないんですよ。前は一般のお客さんの問い合わせが8割で業販は2割という感じでした。11月ぐらいから完全に割合が、逆転していますね。「納期が間に合わないから探している」という声をよく聞きます。やはり良くないんだと思いますね。

____なるほど。中古トラックの値段はますます上がりますね。

中西:今はともかく、そうですね。 信じられない話ですが5年落ちの4トンのセルフがとんでもない高価格(他社なので自粛)で売られていたんですよ。

____それは高すぎますよ。もうすぐPS 5状態ですね(笑)。

渡辺: それか任天堂スイッチです(笑)。新品よりも高くなりかねないです。

中西: もっとすごいのは、平成6年の18輪のトレーラで花見台製のすごい綺麗な仕様だったんですが、ヘッドがセットで付いてきて平成13年製。30年も経っているのに「そんな高額な値段がつくんだ」と驚きました。

____トラック業界も旧車ブームが来ているのかも知れないですね(笑)。

中西:これから新年早々に、その荒波が来るんですよ。以前は僕自身の在庫チェックが月1ぐらいだったのですが今は週2回ぐらいで見ています(笑)。

試練の時こそ、会社を支える従業員の力

渡辺:僕で言うと「いわきのダンプがもうすぐ終わるよ」とか、静岡あたりでも「ダンプが余るかも」という話は入ってくるのでうまく買取できれば、ダンプが必要なところもいっぱいあると思うので、自分で上手く買い取ったトラックを販売したい。個人的にはそれで「数字が作れるかな」とは思っています。やはりお客さんの情報が大事です。情報をうまく活用していきたいですね。

奥田:やはり良い業績のお客さんとの関係性をもっと強く構築して行きたいですね。ただ良くないお客さんもいつ復活するかは分からないので渡辺さんの言っていた「買取りのところでどんどん協力していければ」と思っています。今まで「買って下さい」とばかり営業してきたお客さんに対して「売って下さい」とお願いする流れもあるはずです。こちらからも積極的にいろんな情報を流してあげて、お客さんの仕事に少しでも役立ってもらえたら嬉しいです。ディーラーさんだと、そういうところはどうしても弱いですよね。自分の会社のシャシーに関しては詳しいと思うんですが、架装のこともほとんど知らなかったりするんです。お客さんに訊いても「ディーラーに話しても分からない」と言っているお客さんが多いので、そういったところで新車から中古、整備まで受けられるヨシノ自動車の強みというのは出せるんじゃないでしょうか。

____前向きな新年らしさが伝わってきてホッとしました(笑)。暗い話ばかりでしたからね。早川さんはいかがでしょう?

早川:状況が状況で、売ったり買ったりが決して活発ではないですよね。個人的にはこれまで通り、お客さんとの関係づくりをコツコツ行っていきたいです。これまでやってきたスタンスを「これからも続けていく」ということです。人との関係性の延長でビジネスが成立すれば良くて、売り買いだけの関係じゃない人と人とのつながりを重視していきたいです。そういう意味では「目先の数字にとらわれないようにしよう」と思いますね。雑用でも情報でもお客さんに協力できるところはどんどん積極的にしていきたいです。営業として足で稼ぐ。それは変えずにやっていきたいですね。

鈴木:私はやはりネットを使って問い合わせが増えるようにしていきたいです。自分の部署でもそうですし、部署間の情報共有も強化しつつ「課題に取り組んでいきたいな」と思っています。

いまこそ共走の時代。いかに助け合って生き残るか。

____有難うございます。オミクロン株で先が見えない状態でもあるし、どう転んで行くか予想がつかない新年という感じですね。

中西: オミクロン株もある程度、流行るといえば流行るんでしょうけど病気という意味では亡くなる方が大きく増えるわけではないですよね。あくまでも PCR検査で陽性者が増えるという状況になるわけです。ですから「感染者の数をコロナ禍の指標にしてしまうようなやり方を止めてしまえばいいのに」と思っています。社会的な受け止め方を、変えるべきですよ。ただそれを個人である僕が言ったところで何の意味もなくて、政府や分科会のようなところが先頭に立って「ちゃんとやる」ということなんですよね。そうしないと日本はいつまで経っても元には戻っていかないですよね。他力本願にはなってしまいますが、良い方向と方針を見出せればと思います。国や行政に期待するしかないです。

____重症化を防ぐ軽症者向けの内服薬もすでに薬局に届いているらしいですし、従来の感染対策も変え時が来ていますよね。

中西:ちょっと暗い話題が続いていますが、このコロナ禍の2年間でも自宅で自粛しようと、とにかく人は3食ご飯を食べるわけです。それは衣類だったり、生きていく上で必ず必要なものですよね。その最低限の物量と流通というのは決してなくならないんですよね。 アマゾンさんや楽天さんの物量が増えたのだって、家で快適に過ごすためのプラスアルファを消費者が求めているからですよね。一部ではあるかもしれないけれど、ちゃんとお金は回っているんです。その物流を支えているのはトラックであるのは間違いない。それは変わらないので、我々として「トラック業界をどう支えていくか」という使命は変わらないんですよね。

____確かに。

中西:特に現在のようにシャシーがなくて新車の納期がどんどんかかるということであれば、同業他社さんと協調していき、それぞれが在庫を確保している中でやり繰りしていけるはずです。我々も日々、経営的なリスクを背負って、すぐお客さんに提供できるサービスをしているので、今年はよりヨシノ自動車のメリットを出しやすいタイミングであると言えるでしょう。しかも我々はトラックを販売するだけではなくて、期間限定であれば3か月だけの短期リースも可能なわけです。片方でいらない車があるということであれば買い取ることもできます。お客さんの運送事業という経営の中でのサポートを、どんな形であれ提供できるのがヨシノ自動車です。そこに「生き残りのヒントがある」と思うんですよね。

渡辺:いまこそ我々の「共走」の理念が生きるタイミングだなと、つくづく思うんです。それが全てだと思うんです。お互いに知恵を出し合うとか、ビジネスを超えた人間同士の関係を持つとか。

中西: そこは胸を張って言えるところですよね。

期待したい、ボルボの新型FH

____承知しました。では新型 FH の話に移りましょう。2022年のヨシノ自動車の大きなトピックとしてボルボの新型 FH の販売があります。

中西:希望のひとつですね(笑)。唯一の右肩上がりにできる商材ですね。

____新型 FH は半導体の影響はあったのでしょうか。

中西:ありました。影響があったからこそ、こんなに遅くなってしまいました。本当は秋ぐらいに発表する予定だったんですよね。

____納期の遅れとかはないんですか。

渡辺:受注している分に関しては「問題なく入ってくる」と聞いています。

中西:そこは予定通りです。もともと遅れていて、この時期になってしまいましたがもう最初の1台が入ってきましたし、2月に第2陣が来て4月、5月に総輪エアサス系(リジット含む)が来ますね。

____部品不足の実態も日本とスウェーデンでは事情が違いますよね。一時、新車販売がラインナップから消えていた輸入車業界でも「ほぼほぼ戻ってきた」という話も聞きます。

中西:そもそも EU の中でもスウェーデンはコロナに対する対応がダイナミックというか、国民全体に免疫をつけさせてしまうような考え方でした。だから工場の稼働もいち早く始められたのではないでしょうか。今回の新型はトラクターヘッドだけではなくてリジット(単車)も入ってきますからね。

____新型のツーデフの評判はどうでしょうか。

奥田:反応はいいですよ。もうすでに見積もりを取られているお客さんもいらっしゃるので。 これまで後付けで架装していた分が標準で付いてくるので(サイドエアロとユーロミラー)、値上がりはしますが販売の説得材料にはなりますよね。今までふそうオンリーで来ていたお客さんが厚木に来て「これ乗っちゃうともう国産はダメだな」って言っていました。「どうしても欲しくなっちゃう」という感じでしたね。 前回のマイナーチェンジだった2018年モデルはアドブルータンクの位置に問題があったり、スペアタイヤがついていないとか、マイナスのイメージもありましたが今回、改善されてほっとしましたね。

____この改善はやはりお客さんの評判が良いんですね。

奥田:それは間違いないですね。もともとあったボルボのラインナップが戻ってきたのも大きいです。いろんなお客さんに話ができるから、そこも良いですよね。

本格的に過熱してきたユーロトラックカスタム

____それは朗報ですね。5月にはトラックショーがありますね。

中西:イベントで確定しているのはトラックショーで、11月ぐらいにまた「みんなのトラックフェス」を実施したいです。基本的に「この2本柱はあっていいかな」と考えています。トラックショーは2年に1回ですし、どちらかと言うとメーカーさんが主体になってやるので規模感は違いますが、トラックフェスのようにある程度、自由が利く自分たちが好きにできるイベントというのもあった方が良いんですよね。良くも悪くも認知度が上がって噂が噂を呼んでいるのは確かなんですよ。「次もやるんだったらウチも出たい」という問い合わせを非常に多く受けているんです。

____出展の問い合わせとかもあるんですね。

中西:ありますね。

渡辺:僕も問い合わせを受けています。「来年だしたい」とはっきり仰っていました(笑)。

中西:「新しいね」という感想はすごく多く聞いたんですよね。

奥田:今回、私のお客さんでボルボを購入されたお客さんも、架装は「ファストエレファントに任せる」と言われているんです。それも「トラックショーに出るレベルのものにしてくれ」とオーダーされているんです。

____それは素晴らしいですね!

中西:まずは5月のトラックショー。我々はすごく気合いを入れていますよ。

____今回のトラックフェスを主催したことによって一般のお客さんから問い合わせなどはあったのでしょうか。

渡辺:それと付随しているのかどうか分かりませんが、ファストエレファントのホームページを見て「あのボルボのこの部分だけを同じように架装してほしい」とか、「あのボルボみたいにして」というようなオーダーが増えましたね。それとやはり「自分も出したい」と。「ボルボを買ってトラックショーまでにできるか」とか、そんな話もありました。ちなみにイベントで懇親会に出席して、名刺を配りまくっていたら「仕事に直結した」というお客さんもいらっしゃいました(笑)。「来年も絶対に参加する」と仰っていましたね。

____輸入車や輸入雑貨などはもちろん、恰好いいユーロトラックで荷物を運んで欲しいお客さんも多いでしょうし、そこで繋がりが出来ていったら素晴らしいですね。

ヨシノ自動車・奥田
ユーザー営業。ベテラン営業の裏側にはサブカル好きの鋭い視点が隠されている。旧車も大好き。

ヨシノ自動車・中西
ヨシノ自動車社長。最近は新型FHのデザインプロジェクトを主導。ついに“中西社長のボルボ”が誕生?

ヨシノ自動車・鈴木
WEB営業担当。狙った販売計画や顧客も外さないし、マスクも“外さない”新世代営業。

ヨシノ自動車・早川
ユーザー営業。山口県出身で、正月は2時間かけて下関にふぐを食べに行く“行動派”。

ヨシノ自動車・渡辺
ユーザー営業。愛称は“ワイド”。闘牛の盛んな鹿児島県徳之島出身ではなくて、増トンワイドに由来する(推測)。

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