裏切られても信用と信頼する心を失わない

______現在の社長の経営方針に関して先代の経営陣から注意されたり、助言をもらったりもするのでしょうか。

世間はそんなに甘くない、他人をそんなに信用するな、みたいなことを何度か言われたことがあります。実は今まで私は何度か、金銭にからむ約束を反故にされたことがあるんです。売掛金を払ってもらえなかったり、仕事のやりとり以外でも、お金を貸して返してもらえなかったりしたこともありました。貸した2日後に自己破産をされてしまったり……。私も反省はしているし、実際海外でもまだ回収できてない債権があります。でもやっぱり私は止める気はないんですよね。そういうところが「ずれている」と旧経営陣には言われます。でも会社の従業員や母体にダメージを与えるまで深入りはしないと誓って言えます。

リスクをとっても自分が責任をもてる範囲でやるし、片方で僕が意地っ張りだからというのもあります。でもやっぱりリスクゼロのビジネスはないと思っているんですよ。それは自分が社会人としてやってきて、この会社を経営するようになって8年間やってきているので、その見極めはそれなりに弁えているつもりでもある。リスクは何かというと、必ず出てくるのは、人への信用と信頼なんですよ。それを今まで裏切られたことがあるから、人への信用をゼロにしてやれるビジネスだけをやろうとしたって、たかが知れているんです。もちろんその範囲内でやれる仕事はあるでしょうけど、私にその発想力はありませんからね。私が「いいな」と思える仕事はすべて人とたずさわる仕事なんです。それがベースにある。だからこそ、いまでも海外にトラックを送り続けているんです。すくなくとも会長、専務は良くは思っていないはずですが(笑)。
 ただ日本はやはり少子化でマーケットのキャパシティが縮小していっている。そこはどう努力しても変わらないことなんです。クルマやトラックが出来て130年。もう業界は飽和しているんですよね。ということはやり方は二つあって、細かい売り方の仕組みを少し変えて市場を開拓しつつ少しずつ伸ばしていくか、後は同業他社で食い合う他はない。そうではない限り、会社の売上をあげる劇的なやり方はないと思っているんです。そこに若干の閉塞感があるし、経営者としての立場で今後10年、20年とやっていくことを考えると、単純に面白みのないマーケットに映ってしまう。